ポリフェノール
アンチエイジングや血管を若く保つ抗酸化作用で注目を集めることが多いですが、その他にも注目すべき効果がいくつもあり、積極的に摂取していきたい栄養の1つです。
ポリフェノール
ポリフェノールとは
五大栄養素と食物繊維と並び重要視される栄養がファイトケミカルであり、大きく分けてカロテノイドとポリフェノールに分類されます。
フェノール性の植物成分の総称でほとんどの植物に含有しており、5000種類以上あるとされます。
光合成によってできる色素や苦み成分で細胞の生成や活性化に寄与しています。
水溶性を示し、抗酸化作用といった共通した特徴に加えて、個別で特徴的な効果が期待できます。
ファイトケミカルとは
植物が紫外線や昆虫など、植物にとって有害なものから体を守るために作りだされた色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分のことです。
主なポリフェノール
カカオポリフェノール
ココアやチョコレートの原料がカカオであり、ポリフェノールを多く含みます。
ヨーロッパの長寿者が好んで食した食材でもあり、注目されています。
抗酸化作用によるアンチエイジング効果だけでなく、NO(一酸化窒素)を活性化させることによる血管拡張効果やBDNFと呼ばれる脳由来神経栄養因子の神経細胞の活性化にも関与します。
歯周病などを含めた「口活」にも有効とされます。
カテキン
茶の渋み成分であり、特定保健用食品の1つでサプリメントとしても普及しています。
様々な生理活性作用が報告されており注目されています。
- 血圧、血糖、血中コレステロールの調整作用
- 抗酸化作用
- 抗ガン
- 抗菌
- 抗う蝕
- 抗アレルギー
- 紫外線カット
- 熱中症予防
- ヘスペリジンとの相乗効果
アントシアニン
花や果実の色素で赤、青、紫を示す色素の総称で、ほとんどの食用植物に含まれています。
抗酸化作用、抗ガン作用が期待されます。
目にいいとする見解は否定的な見方が広がっています。
タンニン
お茶やワイン、柿などに多く含まれ、口腔内のタンパク質が結合することにより渋み成分を生むとされます。
整腸作用、抗酸化作用に加えて殺菌作用によるインフルエンザをはじめとする感染症対策に繋がります。
メラニンを生成を抑制し皮膚の保護や美白に寄与するとされます。
ミネラル分と結合することで鉄分や亜鉛不足に繋がります。
クロロゲン酸
コーヒー豆に豊富に含まれる成分でタンニンと類似の働きをします。
食後血糖値の上昇を抑制する効果や脂質代謝による脂肪肝や肥満の予防が期待されます。
ルチン
そばの実やアスパラガス、ほうれん草、果物や柑橘類の皮に多く含まれおり、花粉症などの炎症や変形性関節症、血流改善効果期待され血管保護の薬剤やビタミン剤に使用されています。
ビタミンCを吸収を高める効果も注目です。
イソフラボン
マメ科の植物に多く含まれる成分で女性ホルモンであるエストロゲンと類似の作用が期待されます。
腸内細菌の代謝によりエクオールとなり作用しているのではないかと仮定されています。
- 抗ガン作用(乳房、胃腸、前立腺、卵巣、大腸、肺)
- 更年期障害
- 血管疾患
- 骨粗鬆症
- コレステロール減少作用
ただし、過剰摂取による甲状腺肥大などの影響する可能性が指摘されています。
レスベラトロール
赤ワインやピーナッツの皮、ココアパウダーなどに多く含まれます。
メラニンの生成抑制やヒアルロン酸の維持に関わりアンチエイジングに繋がります。
抗酸化作用だけでなく、NO(一酸化窒素)による血管拡張効果も期待できサプリメントとして販売されています。
サーチュイン遺伝子との関わりでも注目されています。
ノビレチン
柑橘類に多く含まれる成分であり、抗酸化作用に加えて、認知機能低下作用が報告されており注目されています。
シークヮサーやみかんなどの柑橘類を食べる習慣がある地域の長寿の秘訣として考えれています。
クルクミン
カレーのスパイスなどで使用されるターメリック(ウコン)に豊富に含まれており、黄色のポリフェノールの一種です。
肝機能を高めることは知られていますが、その他にも多くの効用が期待できます。
抗炎症作用、抗酸化作用、抗ガン作用、認知症改善などなど。
古くから食文化があるインドでは、認知症発症率が低いことが知られており、研究が盛んに行われています。
富山大学の研究で、クルクミン入りの餌を摂取したマウスが正常なマウスと同様のパフォーマンスを発揮したとする報告があり、クルクミンがアミロイドβの蓄積を抑え、さらに分解する効果があると考えられます。
ヘスペリジン
みかんの白い筋や皮に多く含まれ、カテキンと合わせて摂取することで吸収率が高まるとされます。
血流改善効果による冷え性改善効果があり、起床時などの低温状態でより効果が期待できます。
ラット実験にて、コレステロールや血圧低下、抗炎症作用、敗血症予防、ガン抑制など多くの薬理効果が報告されており、今後も注目を集める成分といえます。
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