マグネシウム
近年度々注目される機会が増えてきた栄養がマグネシウムです。
日本人の全体的に不足傾向とされますが、マグネシウムが担う役割は生命維持に不可欠であり、糖尿病予防としても注目されています。
生活習慣病の多くに関わる栄養であり、適切な量を摂取する習慣を身に付けたいところです。
マグネシウム
マグネシウムとは
ミネラルの1つで、細胞形成、タンパク質合成、エネルギー代謝など生命維持に必要な働きを担います。
1日の摂取目安
- 男性:350〜370mg
- 女性:260〜290mg
- 上限量:350mg
マグネシウムを多く含む食材
大豆類や魚介類、乾物類などに多く含まれます。 100mgあたりの含有量は以下の通りです。
- きな粉240mg
- えんどう豆1120mg
- 納豆100mg
- 煮干し230mg
- マグロ40mg
- 干しエビ520mg
- スルメ170mg
- あさり100mg
- 牡蠣75mg
- 乾燥ワカメ410mg
- 乾燥ひじき620mg
- とろろ昆布520mg
- 焼き海苔320mg
- ごま360mg
- アーモンド270mg
- 落花生200mg
- 干し椎茸210mg
- ほうれん草40mg
- 粉末抹茶230mg
- 粉末ミルクココア130mg
- 豆乳25mg
- チョコレート75mg
- ピーナッツバター180mg
- アボカド30mg
- バナナ30mg
マグネシウムの働き
酵素の活性化
- アディポネクチン分泌維持
- スタミナ不足改善
- 片頭痛予防
- 高血圧改善
- 糖尿病予防
マグネシウムが全ての細胞に含まれる酵素の働きに関わり、糖分や脂肪を分解してエネルギーにする機能を向上させ、糖尿病や血中コレステロールによる高血圧対策など多岐にわたって体に好影響をもたらします。
アディポネクチン
脂肪細胞から分泌されるタンパク質で、脂肪酸燃焼効果、インスリン感受性の向上による糖尿病対策、血管拡張、血流改善による動脈硬化予防などが期待されています。 内臓脂肪を減らす、適度な運動、不飽和脂肪酸やマグネシウムを欠かさない食習慣などが重要とされます。
糖尿病と血管疾患
国立循環器病研究センターと国立がん研究センターの食事と病気の研究(15年間全国の8万5千人に実施した)によるとマグネシウムの摂取量が多い人ほど心疾患発症リスクが最大30%減少と報告されています。
九州大学の2千人を対象として研究では、マグネシウムを多く摂取している人ほど、糖尿病の発症リスクが最大40%減少した報告されています。
ミネラルと腎臓
ミネラルを過剰に摂取することが、腎臓機能を酷使し腎臓病に発展する可能性があります。
腎臓機能低下やマグネシウムの摂りすぎにより、血中濃度が高まることによる影響や他のミネラル不足に繋がります。
血中マグネシウムが高まることで、吐き気や疲労感、下痢、低血圧の原因となります。
セロトニンの合成に不可欠
幸せを感じるホルモンのセロトニンは、トリプトファン、ビタミンB、カルシウム、鉄分に加えて、マグネシウムが揃うことにより合成されます。
うつ病などの精神的な落ち込みなどは、脳内神経の不活性化が影響していると考えられており、セロトニンの不足が一因とされます。
マグネシウムを逃さない・高める方法
ストレスで失われる
体内のいたるところで存在するマグネシウムは、ストレスにより尿からの排出量が増加する報告があります。
イヌリン
水溶性食物繊維の1つで、食物繊維の働きだけでなく、カルシウム、マグネシウムの吸収促進を高めます。
食後の血糖値の上昇を穏やかにする、インスリンの働きを改善するといった観点から糖尿病の食事に用いられます。
ミネラルの特徴
ミネラルの吸収をビタミンCが高める一方で、タンニンやフィチン酸、他のミネラルが吸収を阻害します。
料理方法
マグネシウムは食物の細胞に存在し水溶性であるため、細かく刻んだ調理や、洗い流すことによって失われてしまいます。
生食に近い形で摂取する意識が重要です。
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