人生を変える習慣「適糖」

「糖質制限ダイエット」や「ベジタブルファースト」などの言葉は、高い注目度が集める機会が増えています。
糖質制限は高いダイエット効果が期待できる一方で、過度な制限が健康を損ねる恐れがあることは留意する必要があります。
糖尿病は合併症のリスクを高めます。
適切に糖質をコントロールする「適糖」は人生を変える習慣といっても過言ではありません。
糖質の基本的な内容については以前に紹介しており、併せて運動との関わりも取り上げています。
糖質の乱高下による影響
糖尿病
糖尿病を現代人の20%程度が患っていると推計されています。
インスリン分泌の低下などで血糖値をコントロールできないことで、尿として糖が排出されることから糖尿病と名付けられています。
血糖値がコントロールできなくなることは、初期段階として細い血管が集まる網膜や腎臓での疾患に発展し、最悪の場合、生命維持に関わるため、インスリン注射が行われます。
糖質制限ダイエット
- 減量効果が大きい
- 長期的に血管疾患リスク増加
糖質制限ダイエットとは、糖質が最も優先的に使用されるエネルギーであることから、糖質を制限し、不足分のブドウ糖を糖質ではなく、中性脂肪から得るようするダイエットを指します。
糖質制限ダイエットは短期間での減量効果が期待できる反面、長期的には危険があることが注目されています。
糖質が制限された場合、その分のエネルギーをタンパク質や脂肪から補うことになり血管などの様々な細胞を形成が不十分となり動脈硬化などの血管疾患などの原因に繋がると考えれます。
全カロリーに対して糖質量が50〜55%が最適とされ、40代女性の平均的な糖質量は1日あたり220gで毎食ご飯1杯程度とされます。
全カロリーあたりの糖質の割合が20%程度の場合、死亡リスクが1.5倍高まるとされます。
糖質と肥満
血中のブドウ糖の濃度は70~140mg/dl程度に調整するように、膵臓からインスリンが分泌すること、グリコーゲンに転嫁し肝臓や筋肉細胞に取り込むことで、血糖値を低下させます。
処理しきれなかった糖分は中性脂肪隣細胞に取り込まれ肥満に繋がります。
中性脂肪の基準値は30〜149とされますが、150を超えると心疾患や脳疾患リスクが2倍、200を超えると3倍、400を超えると5倍に高まるされます。
ぽっこりお腹のような内臓脂肪型肥満の方で男性では腹囲85cm以上、女性では90cm以上の方でインスリン分泌が抑えられることにより、糖尿病リスクが高まるとされます。
糖質とビタミンB不足
糖質を代謝する時にビタミンB群が使用されるため、過剰な糖質がビタミンB不足を招きます。
ビタミンBは抗AGE作用があり、不足しないことが重要です。
焦げる「糖化」
タンパク質と結びついて体が焦げ付く「糖化」により、血管内が焦げ付き様々な疾患や合併症に繋がります。
アセトアルデヒトはアルコールを代謝する際に分泌され、体内のタンパク質と結合しAGE(終末糖化産物)を生成します。
- シワシミ
- 動脈硬化
- 糖尿病腎症
- 糖尿病性神経障害
- 糖尿病性網膜症
- ストレス
- 認知症
- ガン
- 血管疾患
糖尿病と認知症
糖尿病と認知症も深いとされ、発症リスクが2〜4倍程度高まります。
血管疾患による認知症リスクを高めることが大きな要因と考えられます。
糖尿病と喫煙
喫煙が糖尿病リスクを38%上昇させた報告があります。
糖尿病網膜症
網膜は、眼球の奥に存在しており、繊細な血管が集まる部分になります。
血糖値がコントロールできないことにより、網膜がダメージを受けます。
黄斑浮腫による視力低下の原因にもなります。
目に異変が生じた段階では、相当進行しているため、定期的に眼底検査を行うことが重要です。
糖尿病腎臓病
腎臓の糸球体は、繊細な血管が集まっており、高血糖の影響が最初に及びやすい部位です。
糖尿病神経障害
末梢神経障害や自律神経障害に血糖値が大きく関わります。
感覚や免疫力低下、動脈硬化に発展などの要因が重なることにより、足の切断に繋がるケースもあります。
糖尿病と血管疾患
脳梗塞や心筋梗塞のリスクが2〜3倍程度高まると言われます。
糖尿病とガン
全体のガンリスクが1.19倍、肝臓が1.97倍、すい臓が1.85倍、結腸が1.4倍と全身に影響します。
糖尿病のサイン
近親者の糖尿病
インスリンの分泌量は家計的な体質要素が大きいとされます。
近親者の状態を踏まえた上で予防する心がけが重要になります。
両親か兄弟姉妹に1人でも糖尿病の人がいる場合、男性では2倍、女性では2.7倍糖尿病発症しやすいとう報告があります。
糖尿病の血液検査項目
空腹時の血糖値と随時血糖値のどちらかと1つ以上とHcA1cが危険水準を示した場合、糖尿病と判断されます。
注意水準ではブドウ糖負荷試験を受けることが進められます。
ブドウ糖負荷試験とは、ブドウ糖を含む飲料2時間後の血糖値を確認する試験であり、急激な上昇が見られる場合、糖尿病と判断することがあります。
注意水準 | 危険水準 | |
空腹時血糖値(mg /dl) (血液中ブドウ糖濃度) | 100以上 | 126以上 |
随時時血糖値(mg /dl) (血液中ブドウ糖濃度) | 140以上 | 200以上 |
③ HcA1c(%) (過去1〜2ヶ月の平均血糖値) | 5.6% | 6.5% |
糖尿病リスク予測ツール
糖尿病リスク予想ツールは、糖尿病の90%を占める2型糖尿病の疑いがある30〜64歳の状態を確認することができるツールとなっています。
- 性別
- 年齢
- 身長
- 体重
- 胸囲
- 喫煙状態
- 血圧(上)(下)
- 高血圧の薬
- 脂質異常の薬
糖質過剰を防ぐ栄養

食物繊維(水溶性、レジスタントスターチ)
ワカメや昆布、海苔など海藻類に多く含まれる水溶性食物繊維やレジスタントスターチは、粘性を高め、小腸を通過させ消化吸収を穏やかにすることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。
ポリフェノール
クロロゲン酸、カフェイン、カテキンなどポリフェノールが糖の吸収を穏やかにする効果が期待できます。
コーヒーや緑茶をタイミングよく摂取することが血糖値のコントロールに繋がります。
フコキサンチン
ワカメやカキ、昆布、アカモクに多く含まれる赤褐色の色素のカロテノイドであり、抗酸化作用に加えて血糖値を下げる働きが期待できます。
ミネラル(マグネシウムや亜鉛)
マグネシウムを多く摂取している人ほど、糖尿病の発症リスクが最大40%割減少した報告があります。
亜鉛はインスリン形成に関与しており、亜鉛不足が高血糖に繋がります。
糖質過剰を防ぐ食事法

ベジタブルファースト
ベジタブルファーストとは、食事の時に野菜から摂取することで血糖値の急上昇による急激なインスリン分泌による脂肪吸収を抑えようとする食事法で、糖尿病患者の食事療法として注目されます。
歯ごたえのある食物繊維を多く含む野菜類は満腹感を得られ全体量を抑える効果も期待できます。
セカンドミール効果
セカンドミール効果とは食物繊維を中心とした食事を心がけることで、消化吸収を穏やかにし次の食事量を抑えることができるという食事法です。
GI(グライセミック・インデックス)
糖質の吸収度合いを示す指標があり、血糖値の乱高下を防ぐことが期待できます。 GIが70以上の食品を高GI、55以下を低GI食品と定義されており、チョコレート効果72%では29です。
WHOにより「過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを低GI食品が低減させる可能性がある」と報告がされています。
加熱調理を避ける
- 生
- 蒸す
- 茹でる
- 煮る
- 炒める
- 焼く
- 揚げる
「口活」でアミラーゼ酵素を高める
唾液に含まれるアミラーゼ酵素は、甘みを素早く察知し適切にインスリンをコントロールする働きが期待でき、血糖値のコントロールに大きく関わることから、唾液の分泌を高める、咀嚼回数を増やすなどの「口活」が重要です。
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