鉄分

女性の4人に1人が足りていない栄養が鉄分です。
鉄分が不足することは、些細な不調から大病にまで発展することから、重要な栄養です。
貧血のサインと自身の状態を照らし合わせてみて、必要に応じて対処することが重要です。
鉄分が人生のパフォーマンスを左右するといっても過言ではありません。
鉄分
鉄分とは
五大栄養素の「ミネラル」の一種であり、主に酸素運搬を担っており、必要不可欠な栄養の一つです。
1日の摂取目安
- 成人男性7〜7.5mg
- 成人女性(月経がある方)10.5mg
- 成人女性(月経がない方)6.0〜6.5mg
体内では3〜5g程度の鉄分が存在します。
1日に排泄にて1mg程度、運動などの発汗で1mg程度、有経女性は2mg程度失われます。
主な食材の含有量
レバーや赤身の肉、魚、大豆、野菜、海藻類に多く含まれます。
100gあたりに含まれる鉄分の含有量は以下の通りです。
- 豚レバー13mg
- 鳥レバー9mg
- パセリ7.5mg
- 卵の卵黄6.0mg
- 納豆3.3mg
- 乾燥青のり74.8mg
- 乾燥カットわかめ6.1mg
- 乾燥ひじき55mg
- 干しエビ15mg
- 干ししいたけ1.7mg
- 粉抹茶17mg
- 粉ココア14mg
- きな粉9.2mg
- ごま9.9mg
鉄分の働き

鉄含有タンパク質が様々な働きを担う
ヘモグロビンと呼ばれる鉄含有タンパク質は酸素の運搬を担っており、ご存知の方も多いと思います。
その他に鉄含有タンパク質が存在し、様々な働きを担っています。
筋肉や神経物質の構成、鉄分などの栄養や酸素の輸送貯蔵など多岐に渡ります。
腸管粘膜から吸収された鉄の一部が三価の貯蔵鉄(フェリチン)として、腸粘膜、肝臓、脾臓、腎臓に蓄えられます。
コラーゲンは、タンパク質とビタミンCで作られ、鉄により立体構造化されます。
セロトニンの合成に不可欠
幸せを感じるホルモンのセロトニンは、トリプトファン、ビタミンB、カルシウム、マグネシウムに加えて鉄分が揃うことにより合成されます。
うつ病などの精神的な落ち込みなどは、脳内神経の不活性化が影響していると考えられており、セロトニンの不足が一因とされます。
鉄分と心臓との関わり
鉄分がエネルギーを作るミトコンドリアを活性化せると考えられます。
鉄分と心臓に関する論文は8000にも上り、関係性が高いとされます。
脳、肝臓、腎臓、筋肉など代謝が活発な細胞に含まれ、細胞質の40%、体重の10%を占める細胞小器官であり細胞の活動に必要なエネルギーを供給する役割を担っています。
貧血は鉄分不足が一因
酸素を運ぶヘモグロビンを作るためには鉄分が必要であり、不足することにより酸素が十分に行き渡らなくなり、貧血の要因になります。
歯肉や足先などの末端部の冷えや栄養不足による炎症の原因に貧血が考えられます。
貧血=体内が酸欠状態であることを指し様々な不調が体に生じます。
貧血サイン
- 倦怠感
- 肩こり
- 頭痛
- 蒼白
- 爪の反り上がり
- 脚がつる
- 立ちくらみ
- むくみ
- 冷え性
- オーラルフレイル
- 不妊
鉄分が不足するプロセス
貯蔵鉄→血清鉄→赤血球数→組織鉄の順に失われますが、一般の検査項目である赤血球数で判断されることが多いですが、貯蔵鉄が減少した段階から倦怠感などは現れるとされます。
隠れ鉄分不足を知る検査項目
- βグロプリン
- 白血球数
- 赤血球数
- 血色素量
- ヘマトクリット
- 平均赤血球血色素量
- 平均赤血球血容積
- 網状赤血球数
- 鉄
- コリンエステラーゼ
- 総ビリルビン
- フェリチン
鉄分過剰が全身を錆びさせる
タンパク質と結合量を超えた鉄分が血液内に漂うことにより、活性酸素を発生させ、細胞や臓器の傷つけてしまいます。
肝臓や膵臓、心臓などあらゆる臓器の機能低下にも影響を及ぼし、ガンや糖尿病といった病気の要因となります。
幼児が鉄分を含んだサプリメントを誤飲することにより鉄中毒となり死亡に至った報告があります。
鉄中毒による酸化
鉄中毒によりタンパク質と結合量を超えた鉄分が血液内に漂うことにより、活性酸素を発生させ、細胞や臓器の傷つけてしまいます。
肝臓や膵臓、心臓などあらゆる臓器の機能低下にも影響を及ぼし、ガンや糖尿病といった病気の要因となります。
幼児が鉄分を含んだサプリメントを誤飲することにより鉄中毒となり死亡に至った報告があります。
ミネラルと腎臓
ミネラルを過剰に摂取することが、腎臓機能を酷使し腎臓病に発展する可能性があります。
腎臓機能低下や鉄分の摂りすぎにより、血中濃度が高まることによる影響や他のミネラル不足に繋がります。
鉄分の効果的な摂取方法

乾物は鉄分が豊富
乾燥わかめなどの乾物は、水分が飛び鉄分が凝縮されやすく、豊富に含まれています。
ゴーヤを天日干しすることで鉄分が約27倍高まります。
鉄分以外にも、ビタミンCが10倍、カリウムが15倍高まります。
ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて吸収率が2〜3倍高い
ヘム鉄と呼ばれる動物性の鉄分は、非ヘム鉄と呼ばれる植物性の鉄分に比べて吸収が2〜3倍高いとされます。
一部の研究で肉に含まれるヘム鉄に発ガン性物質の生成を促すとされます。
胃を活発化させ吸収を高める
非ヘム鉄は、胃酸によりヘム鉄に書き換えられて吸収されるため、ヘム鉄に比べて吸収効率が悪いとされます。
ストレスや睡眠不足、カルシウムやタンパク質不足、ピロリ菌などの影響により胃酸の分泌が妨げられます。
ビタミンCで吸収率を高める
ビタミンCと非ヘム鉄(植物性)を合わせて摂取することで、水溶性の高い鉄分になり体内で吸収されやすくなります。
鉄分を南部鉄器で補う
岩手県で盛んに作られ、日常的に使用されている南部鉄器を使用することで、鉄分を効果的に得ることができると注目されています。
味噌汁を加熱調理する場合、南部鉄器を使用することで鉄分を6倍程度多く摂取できる報告があります。
ほうれん草の根元に無駄にしない
ほうれん草の根元には鉄分が濃縮されていることから捨てずに調理することが鉄分不足解消に繋がります。
ミネラルの特徴
鉄分を含めたミネラルの吸収をビタミンCが高める一方で、タンニンやフィチン酸、他のミネラルが阻害します。
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