NASAも注目する血糖値をはじめとした食事の改善が現代型栄養失調を解決する!
食べる投資ハーバードが教える世界最高の食事術
ストレスに負けない精神力。
常に冴えわたっている思考力。
不調、痛み、病気と無縁の健康な体。
そのすべての基盤は、栄養です。
しかし、現代社会で最適な栄養状態を保つことは知識なしでは難しいのが現状です。
本当に正しい栄養学の知識こそがあなたの心身を生涯も守り、「幸福」という最大のリターンをもたらす最高の投資になるはずです。
満尾 正
1957年神奈川県横浜市生まれ。救急救命医療に従事後、ハーバード大学外科代謝栄養研究室にて研鑽したのち、日本初のアンチエイジング専門病院「満尾クリニック」を開設し、最前線で活躍されている医院長であり医学博士です。
あなたは大丈夫!? 現代型栄養失調か確認する方法
現代型栄養失調とは
P30
現代社会の利便性に乗じて、コンビニやスーパーで手軽に手に入る上、袋を開けるだけですぐに食べられて、それなりの満足感を得られるような食品ばかりを食べ続けていると、体にとって本当に必要な栄養素が不足して、不必要なものは過剰になる「現代型栄養失調」状態に陥ってしまいます。
現代型栄養失調のチェック項目
- 出来合いの食品をよく食べる
- 加工品を買う際、成分表示を確認しない
- 発酵食品をあまり食べない
- ご飯、麺、パンが大好物
- 毎日甘いおやつを食べる
- お通じが毎日ない
- 肌荒れしやすい
- 疲れが取れず常にだるい
- 食後に眠くなることが多い
- ぐっすり眠れない
- いつも頭がすっきりしない
- 気持ちが落ち込む、またはイライラしやすい
12項目中、当てはまる数が4項目以上で黄色信号、8個以上で赤信号、すなわち現代型栄養失調に陥っている可能性が高いとされます。
私自身は該当するのが4番のみでした。ただし、帰省や職場の同僚や友人と食事をする際に、若干過剰に食べてしまっていることがあります。当てはまった項目が多いからといって落ち込む必要はなく、本書で紹介されている内容を踏まえて、意識改革し実践できれば、パフォーマンスが向上できるという意味であり、途轍もなく伸び代があるとも言えます。
現代型栄養失調が心の病の大きな原因に?
現代型栄養失調が生活習慣病だけではなく、心の病とも深く関わっていることが研究で明らかになっています。
うつ病を引き起こす大きな要素とされる脳内神経伝達物質の不活性化は、幸せを感じるホルモンのセロトニンが不足することで発症しやすいのではないかとされます。
セロトニンの原料となるトリプトファンと呼ばれるタンパク質だけを摂取するだけでは、合成されず、代謝に関わるビタミンB6や鉄、脳神経の正常な働きに寄与するビタミンB12、神経伝達物質の放出に必要なカルシウムやマグネシウムなどが揃うことで初めて合成されます。
偏った、極端な食事が現代型栄養失調を招いており、それを打開するには、一部の健康食品や栄養を十二分に摂取するだけでは不十分であることを示しています。
検査項目を増やし、現状の過不足を知る
P34
自分の口の中に入れるものを俯瞰しつつ、前後を考えながら明確な意思を持って「投資」になる食事を選ぶだけで、食生活はガラリと変わるはずです。
高い意識を保つことは容易なことではありませんが、本書では具体的な検査項目がいくつか紹介されており、数字的に目標や課題を認知することが食習慣改善に寄与する原動力になりうると感じます。
ビタミンDや亜鉛といった身近な栄養素からホモシスティン、GPT、無機リンといった耳馴染みのないものが、具体的な目安と共に紹介されています。
NASAも注目する血糖値のコントロールする重要性
P56
社員の体と心の健全化のために、最も重要なことは何か?「血糖値のコントロール」と結論づけたのが、NASAでした。
宇宙空間で働く宇宙飛行士のメンタル、注意力、学習能力、判断力、コミュニケーション能力などのパフォーマンスに、血糖値が強い影響を与えていることを明らかにしたのです。
血糖値や糖尿病については、複数の記事で紹介していることからも、健康かつ高いパフォーマンスを実現するにあたって大切な要素であることは紹介してきました。
血糖値が乱れてしまう恐ろしさを知る
糖尿病が大病の元区
糖尿病とは、血液中のブドウ糖濃度、すなわち血糖値が高い状態が続く病気のこと。
現代人の20〜30%がすでになっているとされ、処理しきれない過剰なブドウ糖が様々な病の要因となるとされます。網膜症、腎症、末梢神経障害といった合併症はほんの一例です。さらに近年ではアルツハイマー型認知症との相関性も報告されています。
糖が血管を劣化する動脈硬化の原因に
血糖値を調整するために分泌されるインスリンは、血糖値をコントロールする働きを担う一方で、老化を進める最悪のホルモンとされます。血管を老化させ動脈硬化から高血圧症、最悪の場合、心筋梗塞や、脳出血といった心疾患や脳疾患へ発展します。
インスリンと肥満の関係
インスリンは糖を脂肪細胞に送り込んで血糖値を下げる働きをすることから内臓脂肪などを増加させてしまいます。脂肪細胞が悪さをすることや肥満による高血圧といった具合に症状を悪化させる恐れがあります。
血糖値(インスリン)の乱高下が活動量に多大に影響する
過剰な糖の摂取が意識を失ってしまうことに繋がることを一度は聞いたことがあると思います。過剰に摂取して急上昇した血糖値を調整しようと膵臓で分泌された大量のインスリンが血糖値を急低下させてしまうことが原因とされます。それほど糖とやる気や意欲との関わりが深いということです。
血糖値をコントロールする
- 糖を過剰に摂取しない
- 血糖値を乱高下させない
- 糖を活用すること
血糖値をコントロールすることを重要であることはリスクを理解すれば自ずとわかると思います。
本書で紹介されている対策は、大きなポイントとしては、糖を過剰に摂取しない、血糖値を乱高下させない、糖を活用することにフォーカスされているといえます。
清涼飲料水をやめる、白米やお菓子を抑える、ベジタブルファースト、食物繊維をすすんで摂取する、鉄や亜鉛、ビタミンB、マグネシウムを食事やサプリでしっかり補給することなど、結果的には血糖値をコントロールすることに通じており、それだけ重要であることを示しています。
マグネシウムや食物繊維、腸内環境を整える腸活は、私自身も度々紹介しており、それだけ注目度が高く健康との関わりが深いものでもあります。
ビタミンDが熱い視線を集めている
ビタミンについて取り上げた際にも触れましたが、本書ではビタミンDが世界的に注目度が高まっていることを紹介しています。
ビタミンDが精神疾患の予防、改善に有効
- 酸化ストレスから脳を守る働き
- ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の作用改善
ビタミンでありながら、脳内の核となる部分に行き渡り作用する働きから、性ホルモンや副腎皮質ホルモンと似た働きをするため一種のホルモンとしてアンチエイジングの観点から注目されているそうです。
また、メディアなどでよく紹介される抗炎症作用や骨の強化、筋肉の保持といった作用も担っています。
加えて血中ビタミンD濃度とガンとの関連性も注目されいています。
ビタミンDを摂取する方法
- 青魚や魚介類を積極的に摂取する
- 日光浴
- サプリメント
ウォーキングなどによる20分程度の日光浴は、紫外線に当たることによりビタミンDが合成されるとされます。作者がサプリメントを活用して補給している点からも重要かつ不足しやすい栄養素と言えます。日あたり50〜125μgを目安に紹介しています。ビタミンD以外にもサプリメントでの補給が紹介されているものとして、ミネラルの一種の亜鉛とマグネシウムがあります。
読メル」状況
2時間くらいで一気に読んでしまいました。4日ほどの滞在でした。ビタミンDなどの内容だけではなく、断食や野菜、発酵食品の活用など具体的な方策盛りだくさんの一冊になっており食習慣を見直したと思っているにぴったりの1冊となっています。
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