「影裏」紹介編
影裏
直近の2017上半期芥川賞受賞し話題になった「影裏」を紹介させていただきます。100ページにも満たないため、短い期間で読破可能です。
作家紹介
作家名:沼田真佑
生 誕:1978年10月30日
出 身:北海道小樽市
その他:デビュー作である「影裏」にて文學界新人賞、芥川賞受賞。第二作が待ち遠しい作家です。岩手県在住で、「影裏」にその世界観が描かれています。
本書紹介
岩手の豊かな自然の中で、川釣りをし、酒を酌み交わす今野と会社の同僚、日浅。そんなありふれた日常に見え隠れする思い。変わりゆく関係と岩手の自然の営み、四季の移り変わりの明快な描写が対照的であるがゆえに、それぞれが引き立っており、爽快さと不気味さを兼ね備えた「鋭利」な作品になっているように思います。100ページにも満たないボリュームで、読破しやすい作品である一方で、繰り返し読み返すという名の「追憶」をすること必至です。「あの日」を識り、自分を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
本書冒頭紹介
勢いよく夏草の茂る川沿いの小道。一歩踏み出すごとに尖った葉先がはね返してくる。かなり離れたところからでも、はっきりそれとわかるくらいに太く、明快な円網をむすんだ蜘蛛の巣が丈高い草花のあいだに燦めいている。
帯裏あらすじ
北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、「あの日」以後、触れることになるのだが・・・・。樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。
本書との思い出
「芥川賞受賞作がこんな薄いの?」「文庫本?」というのが第一印象でした。ページ数が少なく、リーズナブルな価格から購入し、その夜に一気に読み終えましたが、いろいろとよぎりすぎてすぐに寝付けませんでした。考えさせられる素敵な一冊です!
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