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第162回 芥川賞・直木賞作品決定! 「背高泡立草」と「熱源」が輝く!

湊さんを4度目の正直はならずでしたが、新たなスターが誕生したことには変わりないように思います。

私自身、読んでいない作品ですが、各受賞作家の異色の経歴は目を惹かれます。

決して100%集中できる環境での執筆活動ではなかったと考える中で、ひたむきに進んだ先に文学賞を受賞したおお二人は素晴らしく思いますし、そういう背景を踏まえながら、受賞作品を読んでみることでまた違った視点で捉えることができるかもしれません。

何れにしても早く読んでみたいです。

 

目次

芥川賞作品 背高泡立草

古川真人さんの経歴

福岡県出身の31歳で、大学中退後、兄の家に居候しながら創作活動を続け、平成28年芥川賞ノミネート、そして今回芥川賞受賞とステップを踏んでいったとのことです。

「背高泡立草」

島や家をめぐる歴史や記憶が紐解かれる

20代の女性が長崎県の母方の実家の島で、戦前や江戸時代を舞台にした別の物語が挿入され、島や家をめぐる歴史や記憶がひもとかれていくものになっているそうです。

これまでの作品と毛色が違う作風

「土地に根づいた歴史の重層性を巧みにすくい上げ、単調な草刈り作業の合間に時空を越えたエピソードを織り込んでいて、これまでの作品と毛色の違う作風となっている」

今後について

今後について、「これまで島のことだけを繰り返し繰り返し書いてきた。あまりそれを続けると、今まで触れてこなかったものを無視して自分が書きやすいものを書いてしまうと思うので、島から出てみたい。今後書くとしたら、自分にとって不慣れなもの、未知の他者が現れるものにしようと思っています」と抱負を述べており、今後の展開も注目です。  

 

直木賞ノミネート作品 熱源

川越宗一さんの経歴

大阪市出身の41歳で30代半ばから仕事の傍執筆活動を始め、一昨年に「天地に燦たり」で松本清張賞を受賞しデビュー、今回、直木賞初ノミネートにして受賞となりました。

「熱源」

アイヌ民族と民族学者が生き抜く姿を描く

明治時代から第2次世界大戦にかけての樺太、今のサハリンを舞台に、日本の同化政策によって故郷を追われたアイヌの男性と、囚人として送られてきたポーランド人の民族学者が、戦争に巻き込まれながらも自分が守るべきものを模索しながら生き抜く姿を史実を踏まえて描いた作品。 アイデンティティーを脅かされる苦悩や憤りなどが丁寧に描かれ、現代にもつながるマイノリティーの問題とどう向き合うかを読者に問いかける作品となっています。

近年まれに見る大きなスケールの小説

「近年まれに見る大きなスケールで小説世界を築き上げ、登場する人物も生き生きと魅力的に描かれている。難しい資料を駆使して、大きな小説を書いた」

今後について

今後について、僕たちが、今どういうふうに生きていて、これからどう生きるのかを書きたい」と語っています。  

 

芥川賞と直木賞の違い

前者が芥川賞、後者が直木賞の特徴であり、読書のきっかけと据えるならば、直木賞がオススメです。ただし、直木賞は長編小説であることが多いことから量的な面では若干のハードルがありますが、読みやすく親しみやすいものが多い印象です。

  • 対象作家の違い (新人作家/中堅作家)
  • 作品カテゴリー (純文学/大衆文学)
  • 受賞対象    (作家/作品)

 

名作家の登竜門?

過去の受賞作家は現代を代表する方も多く登竜門のひとつである印象を受けます。司馬遼太郎、大江健三郎、青島幸男、浅田次郎、村上龍、山田詠美、伊集院静、池井戸潤、東野圭吾、重松清、綿矢りさなどなど作品は見たことはなくとも一度は耳にしたことがある作家が受賞されています。また、又吉直樹、羽田圭介、西加奈子、朝井リョウといったテレビなどのメディアで活躍される方も受賞されています。